八日目の蝉

所感

自分自身に子供が作れないと知った女が、あろうことか不倫相手の子供を誘拐してしまう。まだ自我が形成されていない年齢だったため、子供は違和感を覚えることなく自分を誘拐した女と過ごすことに・・・。


誘拐犯である希和子はさらった子供に「薫」という名前をつけて自分の子以上の愛情を注ぐ。このような描写をされてしまうとどうしても希和子に同情してしまいがちだが、それでも自分勝手でどうしようもない阿呆ということに変わりはない。


だが薫にとっては「母親を必要とする時期に自分を育てた人」である希和子が実質母親のようなものであり、自分を生んだ本当の母を親とは思えないっていうのがなんともやりきれないところ。そのような複雑な親子愛について書かれた書籍だ。